過疎化が進む地域で「里山レスパイトケア」を実施しました。

テントが病児の休息場所に。ストレッチャーでしか移動できない超重症児にとっては、滅多にできない体験です。
テントが病児の休息場所に。ストレッチャーでしか移動できない超重症児にとっては、滅多にできない体験です。

8月末、超重症児とそのご家族のためのレスパイトケア(一時休息)を、主体的な立場で実施しました。第1回の支援先、「海のみえる森」での経験を生かすために、方々で「里山でのレスパイトケア」実施を呼びかけてきたところ、長野県筑北村の村おこし団体が協力してくれることになったのです。ご縁のある小児在宅医療の診療所にご相談した結果、2泊3日の旅行に3家族をご招待することになりました。


旅行の期間中、ご家族は里山を活用した公園で多くの時間を過ごしました。流しそうめんやバーベキューなどのアウトドア料理を楽しんだほか、思い思いの方法でくつろいでいました。病児の兄弟姉妹も、夢中になって遊び続けていました。


今回の取り組みを通じて、里山とレスパイトケアの親和性をより強く感じました。里山が癒しや遊びの場になる上に、安全で新鮮な食材が得られるからです。また、レスパイトケア施設に転用できる古民家などがたくさんあることも注目に値します。


筑北村の方々にとっても、地域連携の強化や、誇りの醸成、新たな魅力創造などの面で、多くのメリットがあったようです。


弊団体では、今回の取り組みをケーススタディとして、今後も各地で「里山レスパイトケア」の実施を呼びかけていく予定です。また、遊休古民家のレスパイトケア施設化も計画しています。末筆ながらこの取り組みを開始したきっかけは中パさんとの協業ですので、この場をお借りして厚くお礼を申し上げます。

 

(2014年12月 中越パルプ工業社内報kami-cocoro 里山マイスターの「里山通信」vol.19を転載)