広がってほしい「森の幼稚園」という里山活用方法

11月24日に実施した目録の贈呈式。木の伐採や皮むきも行われため、多くの子どもが「大人ってすごい」と思ったそうです。
11月24日に実施した目録の贈呈式。木の伐採や皮むきも行われため、多くの子どもが「大人ってすごい」と思ったそうです。

 「森の幼稚園」をご存じでしょうか。幼児期における自然体験が心身の発達によい影響を与えるという考えのもと、森や里山で保育を行う幼稚園です。子どもたちの五感が磨かれるほか、体も自然とたくましくなるのが特長です。また、保育方針によっては、考える力や創造力、助け合う心なども育まれます。

 

 弊団体は、この森の幼稚園も応援したいと考えてきました。なぜならば、いじめや自殺など、子どもたちを取り巻く悲しい事件が多いなかで、森の幼稚園が普及すれば、豊かな心を持つ子が増えて悲しい事件が減り、里山の社会的な価値も高まると考えたためです。

 

 そしてこのたび、「里山物語」の寄付金を通じて、山梨県北杜市の「森のようちえんピッコロ」さんを支援できることになりました。同園は先生と保護者による自主運営方式の幼稚園で、農地を開墾した園庭や、近くの森などを活用しています。先生と保育スタッフの役割を、「自主的に遊ぶ子どもたちを見守り、危険なことはしないと信じて待ち、ときには手伝うだけ」と決めているためか、わずか3歳~5歳の子どもたちが、自主的に行動するすごい幼稚園なのです。

 

 ご希望の支援物をお聞きしたところ、「雪の日でも外で火が炊けるよう、東屋がほしいと思っていました」との回答をいただきました。既製品を贈れる予算がなかったのですが、なんと保護者の方々は、裏山の木などを使って自分たちで作ることで、予算を最大限に生かす方法を選んでくださいました。木の乾燥や加工などの時間も必要なので、完成は来春になりますが、折に触れて進捗をご報告したいと思っています。

 

(2014年1月 中越パルプ工業社内報kami-cocoro 里山マイスターの「里山通信」vol.16を転載)